サスティナビリティ学講座vol.11 研究者も興奮!志津川湾で「発掘」された幻の魚 クダリボウズギス大解剖 開催

クダリボウズギスという魚をご存知でしょうか?
テンジクダイ科クダリボウズギス属の「クダリボウズギス」は、研究者も興奮させる幻の魚です。
体長5cmほどでルビーのような美しい色をしたこの魚は、これまで採集例がごくわずかで、その生態はほとんど知られていませんでした。
志津川湾では、魚類研究者が20年以上にわたって潜水調査を行っていますが、クダリボウズギスは2007年にたった1個体が採集されたのみで、その後はいくら探しても見つからない幻の魚となっていました。
ところが!2022年の春、思わぬところからこの魚が再発見されたのです。
それは、なんと!大潮で干上がった海岸の土の中からでした!
この発見をきっかけに、クダリボウズギスのかなり変わった生態が、徐々に解明されつつあります。

今回のセミナーでは、5名の講師にご登壇いただき、クダリボウズギスを解剖していきます!

クダリボウズギスを含むテンジクダイ科魚類を長年研究されてきた、北里大学海洋生命科学部講師の林公義さんからは、クダリボウズギスという魚の面白さや他種との違いについてレクチャーしていただきます。
国立科学博物館所属日本学術振興会の佐藤真央さんからはクダリボウズギスの仲間に見られる変わった形態について、
京都大学フィールド科学教育研究センター 舞鶴水産実験所の邉見由美さんにはクダリボウズギスが発見された穴から出てきた生き物との共生の可能性についてお話しいただきます。
そして、南三陸ネイチャーセンターの阿部拓三さん、鈴木将太さんからは、その後次々に見つかったクダリボウズギスの標本を前に、志津川湾の最新研究で分かってきたクダリボウズギスの生態にせまる講座をして頂きます。

ダンゴウオ、クチバシカジカにつぐ新たな“推し“、「クダリボウズギス」の魅力に、あなたも魅了される間違いなし(笑)の講座です。
この小さな魚の発見秘話や驚きの生態から、地域の生物多様性への理解を深めてみませんか?
皆様のご参加をお待ちしております。

※今回、論文発表前の最新知見の情報もあるため、現地参加のみの開催となります。オンライン配信はございませんので、是非現地に足を伸ばして見て下さい。また、佐藤真央さんはオンラインでのご登壇となります。

当日の流れ
第1講:テンジクダイ科クダリボウズギス属魚類の研究史と分類学的問題点の整理
北里大学海洋生命科学部 林公義氏
第2講:志津川湾には「2種類のクダリボウズギス」が住んでいた
南三陸ネイチャーセンター 研究員 鈴木将太氏
第3講: クダリボウズギス属魚類の風変わりな形態
    国立科学博物館所属日本学術振興会特別研究員PD 佐藤真央氏
第4講:テッポウエビ類をめぐる共生関係の多様性
京都大学フィールド科学教育研究センター助教 邉見由美氏
第5講:志津川湾で明かされたクダリボウズギスとテッポウエビ類のアツい関係
南三陸ネイチャーセンター 研究員 阿部拓三氏

タイトル:研究者も興奮! 志津川湾で「発掘」された幻の魚 クダリボウズギス大解剖!
日時:2024年2月27日(火)18:30~21:00(18:00開場)
場所:南三陸町自然環境活用センター(南三陸ネイチャーセンター)
宮城県本吉郡南三陸町戸倉沖田69-2 戸倉公民館内2階
定員:20人
参加費:無料
参加方法:申し込みを終了させて頂きました。
主催:一般社団法人サスティナビリティセンター
協力:南三陸町自然環境活用センター
助成:公益財団法人日本財団