第4回南三陸いのちめぐるまち学会を開催しました。

【黒潮がつなぐご縁 グローバル VS ローカルを超えて行こう!】
当センターが事務局を務める「第4回南三陸いのちめぐるまち学会大会」を、2025年11月7日から9日の日程で開催いたしました。
今年のテーマは「黒潮がつなぐご縁 グローバル VS ローカルを超えて行こう!」。
台湾からゲストをお招きし、国内外の交流が生まれる大変意義深い大会となりました。

前夜祭

7日の前夜祭は「続・ネイチャーポジティブな地域のシナリオづくりワークショップ」で幕を開けました。S-21の研究者より「ネイチャーフューチャーフレームワーク」を用いた地域のシナリオとシミュレーション結果が共有され、森・里・海をつなぐ地域の未来図について、活発な意見交換が行われました。

夜の部は恒例となった「ドリンク片手に楽しもう」で、<海を語ろう!黒潮がつなぐ台湾・南三陸>と題して、台湾からの発表3題を含む5つの口頭発表がありました。
11月に新たに就任された千葉町長も駆けつけて下さり、熱いメッセージを頂戴しました。
日本と台湾、双方の取り組みについて学びあう貴重な機会となり、会場は大いに盛り上がりました。

本大会

8日の学会大会には全国から小・中・高校生を含む192名が参加しました。

午前中のセッションは、南三陸町商工観光課の宮川舞課長による「台湾と南三陸 友情の軌跡」と題した講演で始まり、震災から現在に至るまでの南三陸と台湾の交流の歩みが紹介されました。

続いて台湾海洋委員会海洋保育署より楊蕙禎科長にご登壇頂き、「台湾の海洋環境保全の取り組みと行動」として、持続可能な海洋を目指す台湾の官民一体となった実践的な取り組みが紹介されました。

さらに「Ocean Challenge 2025 参加講演」として、南三陸ネイチャーセンターの阿部拓三研究員より、松原海岸が被災後の姿で残されることとなった経緯と、南三陸高校自然科学部のこれまでの調査活動、そして台湾の大会へ出場し、見事特別賞を受賞するまでの過程が語られました。

その後、南三陸高校自然科学部3年の西城美咲さん・西城百華さんによる ”Ocean Challenge 2025” の発表を再現した英語での発表が披露されました。

最後に、東北大学近藤倫生教授より「環境DNA観測網『ANEMONE』でわかってきた海の変化」についてご講演頂き、最新の研究知見を分かりやすくご共有頂きました。

講演後の総合討論では Slido を活用し、台湾(黒潮の始点)と南三陸(黒潮の終点)をつなぐテーマに相応しい活発な意見交換が行われました。

午後のポスターセッションでは地元の小学生から高校生までを含む51件(昨年比+10件)の発表があり、国・分野・世代を超えた熱い議論と交流が繰り広げられました。

最後の全体討論では、Slidoによる感想共有や疑問・質問についてみんなで考える時間をもちました。いのちめぐるまち学会が南三陸を飛び出す発言もあり、今後の展開に期待が膨らみました。最後は恒例の森林総研・中静透理事長より総評を頂き、国際学会となった記念すべき大会が終了しました。


会場前にはキッチンカーが並びランチを賑わせ、夜の交流会は「しづがわ夜市」に場所を移して開催されました。学会長(DJ ISLAND)の前では音楽に合わせて踊る参加者の姿も見られ、寒さを吹き飛ばすような楽しい夜となりました。

最終日9日のエクスカーションでは、地域で持続可能なまちづくりに取り組む事業者による多彩なプログラムにご参加いただき、南三陸の魅力を存分に体感していただきました。

今回ご参加いただいた皆様、日頃より応援してくださる個人会員・賛助会員の皆様、そして地域の皆様に心より御礼申し上げます。また来年、南三陸(あるいは台湾で?)でお会いしましょう!