代表理事挨拶 Message 東日本大震災の教訓を刻んだ サスティナブルな社会の実現を目指して 東日本大震災で大きな被害を受けた南三陸町では、たくさんの悲しい出来事がありました。住民はそこから立ち上がり、世界に誇れる新たなまちづくりに挑戦しています。例えば、無駄なエネルギーを消費する生ゴミの焼却をやめ、液肥とエネルギーに転換するバイオマス循環の仕組みを町の取り組みとして取り入れました。 森づくりでは、環境と人権に配慮しならが自立的な林業経営を目指すFSCⓇ認証を取得する林業家が出てきました。 戸倉地区では震災前の過密養殖を反省し、養殖密度を1/3に抑え、1年で収穫できるカキ養殖を実現しました。戸倉地区ではその後、日本で初めてとなるASC養殖場認証を取得し、南三陸は山と海の国際認証を同時に取得した世界初の地域となりました。いずれの取り組みも、地域資源のベースとなる自然資本をできるだけ毀損せずに、資源の価値を高め、地域社会の抱える問題解決を目指そうというものです。 森・里・海はまた、ひとつながりの環境であり、人間活動を介して相互に影響し合っています。ゆえに、これらがどのようなつながりをもっているのかを理解し、経済・社会の仕組みも意識しながら、人々が上手に連携することが、持続可能な地域社会を実現するためにはとても大切です。 サスティナビリティセンターは、以下の事柄をつうじて世界のモデルとなり得る南三陸の取り組みを応援し、持続可能な社会の実現を目指します。 大学の研究者らとの協働による地域資源研究の推進と事業コンサルティング 持続可能な社会づくりを担う人材育成に有効な、学習プログラムの提供 森里海の事業者の情報交換の場とファシリテーション機能の提供による地域の合意形成促進 代表理事 太齋 彰浩